空き家の実家を放置するリスクは?対策と相続後の手続きを徹底解説!

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実家が空き家になってしまい、どうしたらいいのか悩んでいませんか?親の介護施設入所や亡くなった後、遠方に住んでいるとなかなか実家の管理が行き届かないものです。空き家の放置は思わぬトラブルを招くことも。

この記事では、空き家の実家を放置するリスクと対策、相続後の手続きについて詳しく解説します。空き家問題に直面している方、これから相続する可能性のある方に役立つ情報をお届けします。

目次

空き家の実家を放置するとどんなリスクがあるの?

実家の空き家を放置すると、思った以上に多くのリスクが潜んでいます。「しばらく様子を見よう」と思っているうちに、状況が悪化してしまうことも少なくありません。

建物の老朽化と資産価値の低下

空き家を放置すると、まず目に見える形で建物の老朽化が進みます。人が住まなくなった家は、驚くほど早く劣化していきます。

雨漏りが発生すると、木材が腐食し、カビが発生します。特に日本の高温多湿な気候では、わずか数年で建物内部にカビが広がることも。壁紙がはがれ、床が反り、建具の開閉がスムーズでなくなるといった症状が現れます。

また、庭木や雑草の繁茂も見逃せません。手入れをしないと、あっという間に敷地内は草木に覆われてしまいます。根が建物の基礎に入り込むと、構造的な問題を引き起こすこともあります。

こうした老朽化は、資産価値の低下に直結します。不動産の価値は築年数だけでなく、メンテナンス状態にも大きく左右されます。放置された空き家は、同じ築年数の手入れされた住宅と比べて、市場価値が30〜50%も下がることがあります。

防犯・防災面での危険性

空き家は防犯・防災の両面で危険をはらんでいます。

人の気配がない家は、不法侵入や窃盗のターゲットになりやすいものです。窓ガラスが割られて侵入されたり、貴重品や思い出の品が盗まれたりするリスクが高まります。最悪の場合、不法占拠されてしまうケースも。

また、放火のリスクも見過ごせません。全国の放火事件の約1割が空き家を狙ったものだというデータもあります。

防災面では、老朽化した空き家は台風や地震などの自然災害に弱く、倒壊の危険性が高まります。屋根材や外壁が剥がれて飛散し、近隣の家屋に被害を与えることも。電気配線の劣化による漏電火災のリスクも無視できません。

近隣トラブルの発生

空き家を放置すると、近隣住民とのトラブルに発展することがあります。

雑草や庭木が伸び放題になると、隣家の敷地にはみ出したり、害虫の温床になったりします。ゴミの不法投棄の場所として使われることもあります。

こうした状況に近隣住民が不満を抱き、自治体に苦情を寄せるケースも少なくありません。中には、管理不全を理由に損害賠償を請求されるケースも。実際に、空き家から落下した瓦で隣家の車が破損し、所有者が賠償責任を問われた事例もあります。

固定資産税の負担増加

2015年に「空家等対策特別措置法」が施行され、管理が行き届いていない空き家に対する税制も厳しくなりました。

通常、住宅用地には固定資産税の軽減措置があります。200㎡以下の小規模住宅用地では評価額の1/6、200㎡を超える一般住宅用地では1/3に軽減されています。

しかし、特定空家等に指定されると、この軽減措置が適用されなくなります。つまり、固定資産税が最大で6倍に跳ね上がる可能性があるのです。

例えば、200㎡の土地で年間10万円だった固定資産税が、特定空家等の指定を受けると60万円になることも。これは家計に大きな負担となります。

特定空家等に指定されるリスク

「特定空家等」とは、空家等対策特別措置法に基づき、以下のいずれかの状態にある空き家を指します。

  1. 倒壊等著しく保安上危険となるおそれのある状態
  2. 著しく衛生上有害となるおそれのある状態
  3. 適切な管理が行われないことにより著しく景観を損なっている状態
  4. その他周辺の生活環境の保全を図るために放置することが不適切である状態

特定空家等に指定されると、自治体から段階的に「助言・指導」「勧告」「命令」「行政代執行」という措置が取られます。最終的には、所有者の意思に関わらず、行政が強制的に解体などの措置を行い、その費用を所有者に請求することになります。

この行政代執行の費用は決して安くありません。解体費用に加え、行政手続きの費用も上乗せされるため、通常の解体よりも高額になることが一般的です。

空き家問題の現状と背景

日本の空き家問題は年々深刻化しています。その背景には、人口動態の変化や住宅事情があります。

日本の空き家率の推移

総務省の住宅・土地統計調査によると、2023年時点での日本の空き家率は約14%に達しています。これは、全国で約850万戸の住宅が空き家となっていることを意味します。

1980年には空き家率が約5%だったことを考えると、40年余りで約3倍に増加したことになります。特に、2013年以降は毎年約2%ずつ増加しており、このペースが続けば2033年には空き家率が20%を超えると予測されています。

空き家の内訳を見ると、賃貸用や売却用の住宅が約半数を占めますが、「その他の住宅」(二次的住宅や長期不在の住宅など)が約40%を占めています。この「その他の住宅」が、管理不全になりやすい空き家の多くを占めているのです。

高齢化と人口減少の影響

日本の空き家増加の主な要因は、高齢化と人口減少です。

高齢者のみの世帯が増加し、その後、施設入所や死亡により空き家となるケースが増えています。相続人が遠方に住んでいたり、複数の相続人で意見がまとまらなかったりすると、空き家が放置される傾向にあります。

また、地方から都市部への人口流出も空き家増加の一因です。特に若年層の流出が著しい地方では、親世代が亡くなった後、実家を継ぐ人がいないという状況が生まれています。

さらに、日本特有の新築志向も影響しています。中古住宅の流通が活発でないため、古い家は解体されずに放置されがちです。

地域別の空き家事情

空き家率は地域によって大きく異なります。

都市部では、東京都区部や大阪市などの中心部では空き家率が比較的低い傾向にあります。しかし、郊外や地方都市では空き家率が高くなっています。

特に空き家率が高いのは、和歌山県(約20%)、高知県(約19%)、徳島県(約18%)などの地方県です。これらの地域では、人口減少が著しく、住宅の需要が低いことが背景にあります。

一方で、空き家の絶対数が多いのは、大阪府、東京都、神奈川県などの人口密集地域です。これらの地域では、相続税対策で建てられたアパートの空室や、古い木造住宅の空き家が目立ちます。

相続した実家の空き家、まず何をすべき?

親から実家を相続したとき、特に遠方に住んでいる場合、何から手をつければよいのか迷うものです。まずは基本的な手続きと確認事項から始めましょう。

相続登記の義務化と期限

2024年4月から、不動産を相続した場合の相続登記が義務化されました。相続を知った日から3年以内に登記申請をしなければなりません。これは、所有者不明土地問題の解決を目指した法改正によるものです。

相続登記を怠ると、10万円以下の過料が科される可能性があります。また、相続登記がされていないと、後々の売却や活用の際に手続きが複雑になることも。

相続登記の基本的な流れは以下の通りです。

  1. 被相続人(亡くなった方)の出生から死亡までの戸籍謄本等を収集
  2. 相続人全員の戸籍謄本と住民票を取得
  3. 不動産の固定資産評価証明書を取得
  4. 遺産分割協議書の作成(相続人が複数の場合)
  5. 法務局に相続登記を申請

これらの手続きは複雑なため、司法書士に依頼するのが一般的です。費用は不動産の数や相続人の人数によって異なりますが、1件あたり5〜15万円程度が相場です。

建物の状態確認と今後の方針決定

相続登記と並行して、建物の状態確認を行いましょう。できれば専門家に依頼して、建物の劣化状況や修繕の必要性を調査してもらうことをお勧めします。

ホームインスペクション(住宅診断)を利用すると、建物の状態を客観的に評価できます。費用は5〜10万円程度ですが、今後の方針を決める上で重要な判断材料になります。

状態確認の結果を踏まえて、以下のような選択肢を検討しましょう。

  1. 自分や家族が住む
  2. 賃貸物件として活用する
  3. 売却する
  4. リノベーションして価値を高める
  5. 解体して土地を活用する

この判断は、建物の状態だけでなく、立地条件や相続人の状況、資金力なども考慮して総合的に行う必要があります。

必要書類の準備と手続きの流れ

空き家の管理や処分を進めるにあたり、以下の書類を準備しておくと便利です。

  1. 不動産の登記簿謄本(登記事項証明書)
  2. 固定資産税評価証明書
  3. 固定資産税納税通知書
  4. 建築確認済証・検査済証(ある場合)
  5. 境界確定図(ある場合)
  6. 住宅の設計図面(ある場合)
  7. 土地の測量図(ある場合)

これらの書類は、不動産の売却や解体、リフォームなどを行う際に必要になります。特に古い家屋の場合、書類が散逸していることも多いので、早めに確認しておきましょう。

また、水道・電気・ガスなどのライフラインの取り扱いも決めておく必要があります。使用しない場合は休止または解約の手続きを行いますが、管理のために最低限の電気は残しておくことも検討しましょう。

空き家の実家を活用する方法

空き家をただ放置するのではなく、有効活用する方法を考えましょう。状況に応じて、さまざまな選択肢があります。

賃貸物件として活用する

立地条件が良ければ、賃貸物件として活用するのも一つの方法です。

賃貸に出す場合、一般的には以下のような準備が必要です。

  1. 建物の状態チェックと必要なリフォーム
  2. 不要な家財道具の処分
  3. 賃貸借契約に必要な設備の確認(火災報知器など)
  4. 管理会社との契約

賃貸経営のメリットは、定期的な収入が得られることと、人が住むことで建物の劣化を防げることです。一方、初期投資や管理の手間、空室リスクなどのデメリットもあります。

賃貸に出す際の初期費用は、リフォーム内容にもよりますが、100〜300万円程度が一般的です。家賃収入は立地や建物の状態によって大きく異なりますが、投資回収には通常5〜10年かかると考えておくとよいでしょう。

リノベーションして住む・売る

空き家をリノベーションして自分で住むか、付加価値をつけて売却する方法もあります。

最近は古民家再生や昭和レトロな住宅へのニーズも高まっています。特に、骨組みがしっかりしている古い日本家屋は、適切なリノベーションで魅力的な住まいによみがえることも。

リノベーションのポイントは、構造体の補強や断熱性能の向上、水回りの刷新などです。デザイン性を高めることで、資産価値も上がります。

リノベーション費用は規模によって大きく異なりますが、一般的には500〜2000万円程度。ただし、売却を前提とする場合は、投資回収できる金額を慎重に見極める必要があります。

解体して土地活用する

建物の老朽化が進んでいる場合や、立地条件が良い場合は、解体して土地を活用する選択肢も考えられます。

解体後の土地活用方法としては、以下のようなものがあります。

  1. 更地にして売却
  2. 駐車場として貸し出す
  3. 新築して売却または賃貸
  4. 菜園や庭園として利用
  5. 太陽光発電設備を設置

解体費用は、建物の構造や規模、立地条件によって異なりますが、木造住宅の場合、一般的に100〜300万円程度です。アスベストが使用されている場合は、さらに費用がかかります。

土地の売却価格は地域や立地条件によって大きく異なりますが、解体費用を考慮しても、更地にした方が高く売れるケースが多いです。

地域貢献や公共利用に提供する

空き家を地域のために活用する選択肢もあります。

例えば、地域の集会所やコミュニティカフェ、子どもの遊び場、高齢者の交流スペースなどとして提供する方法です。自治体によっては、こうした用途に空き家を活用する場合の補助金制度を設けているところもあります。

また、NPOや社会福祉法人に寄付する方法もあります。この場合、寄付金控除を受けられる可能性もあります。

さらに、一部の自治体では空き家バンク制度を設けており、移住希望者などに空き家情報を提供しています。地方移住のニーズが高まる中、こうした制度を活用するのも一つの方法です。

空き家の管理方法と対策

空き家を所有し続ける場合、適切な管理が欠かせません。放置すると前述のようなリスクが高まるため、計画的な管理を心がけましょう。

定期的な見回りのポイント

空き家の状態を把握するためには、定期的な見回りが重要です。可能であれば月1回程度、最低でも季節ごとに見回りを行いましょう。

見回り時のチェックポイントは以下の通りです。

  1. 建物の外観:屋根や外壁の損傷、雨どいの詰まり、窓ガラスの破損などをチェック
  2. 建物の内部:雨漏りの跡、カビの発生、床の沈み、害虫や小動物の侵入跡などを確認
  3. 敷地内:庭木や雑草の状態、フェンスや門扉の状態、不法投棄の有無を確認
  4. 設備:水道管の凍結や破裂、電気系統の異常などをチェック

見回り時には、換気も兼ねて窓を開け、水道も少し流しておくとよいでしょう。トイレの水も流して、排水管の乾燥を防ぎます。冬場は、凍結防止のために水抜きをしておくことも大切です。

見回りの際は写真を撮っておくと、経時変化の記録になります。また、近隣住民に挨拶をしておくと、不在時の見守りをお願いできることもあります。

空き家管理サービスの活用法

遠方に住んでいて頻繁に見回りができない場合は、空き家管理サービスの利用を検討しましょう。

空き家管理サービスには、以下のようなものがあります。

サービス内容頻度費用目安(月額)
外観確認・通気月1回5,000〜10,000円
室内清掃・換気月1回10,000〜20,000円
庭木の手入れ季節ごと5,000〜15,000円
郵便物の転送随時3,000〜5,000円
緊急時対応随時基本料金に含む場合が多い

サービス提供者は、不動産会社、管理会社、シルバー人材センター、専門の空き家管理会社など様々です。地域によって料金体系やサービス内容が異なるため、複数の業者に見積もりを取って比較するとよいでしょう。

契約前には、保険の有無や緊急時の対応範囲、報告方法などをしっかり確認しておくことが大切です。

遠方からでもできる管理方法

遠方から空き家を管理する場合、以下のような工夫も有効です。

防犯カメラやセンサーライトの設置は、不法侵入の抑止になります。最近はスマートフォンで遠隔監視できるシステムも手頃な価格で利用できるようになりました。

郵便物は転送サービスを利用するか、定期的に回収してもらいましょう。郵便受けに郵便物がたまっていると、空き家であることが外部に分かりやすくなります。

また、信頼できる近隣住民に見守りをお願いするのも一つの方法です。その場合は、緊急連絡先を伝えておくとよいでしょう。

自治体によっては、空き家の見守りサービスを提供しているところもあります。自治体の空き家対策窓口に相談してみるのもよいでしょう。

季節ごとの注意点と対策

季節ごとに特有の問題があるため、それぞれ対策が必要です。

春は雨が多くなるため、雨漏りのチェックが重要です。また、害虫の発生も増えるので、必要に応じて防虫対策を行いましょう。

夏は高温多湿でカビが発生しやすくなります。除湿器の設置や、風通しを良くする工夫が必要です。台風シーズンに備えて、飛散物の片付けも忘れずに。

秋は落ち葉が雨どいに詰まりやすくなります。雨どいの清掃を行い、排水不良を防ぎましょう。

冬は凍結による水道管の破裂が心配です。寒冷地では水抜きを徹底するか、凍結防止ヒーターを設置しましょう。また、積雪地域では雪下ろしの手配も必要になることがあります。

空き家の処分方法と選び方

空き家を維持するのが難しい場合は、処分を検討することになります。状況に応じた最適な処分方法を選びましょう。

売却するメリット・デメリット

空き家を売却するメリットとしては、まず管理の負担から解放されることが挙げられます。また、売却代金を得られることで、相続税の納付や他の資産への投資などに活用できます。

一方、デメリットとしては、思ったより売却価格が低いことが多い点があります。特に地方の空き家は需要が少なく、建物の価値がほとんど評価されないケースも少なくありません。また、売却までに時間がかかることも覚悟しておく必要があります。

売却を検討する際は、複数の不動産会社に査定を依頼して、相場を把握することが大切です。最近はインターネットで一括査定ができるサービスも充実しています。

また、売却時には「3,000万円特別控除」などの税制優遇を利用できる可能性があります。条件を満たせば、譲渡所得から最大3,000万円を控除できるため、税理士などに相談して確認しておくとよいでしょう。

解体するときの費用と手続き

建物を解体して更地にする場合、主な費用と手続きは以下の通りです。

項目費用目安備考
解体工事費100〜300万円木造一戸建ての場合
アスベスト調査・除去30〜100万円使用されている場合のみ
廃棄物処理費解体費に含まれることが多い地域により異なる
各種届出費用数万円行政手続き代行費用

解体工事の前には、「建築物除却届」を自治体に提出する必要があります。また、アスベストが使用されている可能性がある建物(概ね1980年以前に建築されたもの)は、事前調査が義務付けられています。

解体業者の選定は慎重に行いましょう。複数の業者から見積もりを取り、内容を比較することが大切です。見積書には、仮設工事、解体工事、廃棄物処理、諸経費などの内訳が明記されているか確認しましょう。

また、近隣住民への配慮も忘れずに。工事の前には挨拶回りをして、工事期間や騒音について説明しておくとトラブル防止になります。

寄付や譲渡の可能性

空き家の寄付や譲渡も選択肢の一つです。

自治体への寄付は、管理の負担から解放される利点がありますが、実際には多くの自治体が寄付を受け付けていないのが現状です。受け入れる場合でも、建物が良好な状態であることや、公共目的に利用できることなどの条件が課されることがほとんどです。

NPOや社会福祉法人への寄付は、地域貢献になる可能性があります。この場合、寄付金控除を受けられることもありますが、事前に税理士に相談しておくとよいでしょう。

また、知人や親族への譲渡(売却や贈与)も一つの方法です。この場合も、税金面での影響を事前に確認しておくことが大切です。

相続放棄という選択肢

空き家の相続を放棄するという選択肢もあります。相続放棄とは、プラスの財産もマイナスの財産も含めて、相続権を放棄することです。

相続放棄のメリットは、老朽化した空き家の管理や処分の負担から解放されることです。特に、解体費用が土地の価値を上回るような場合には検討する価値があります。

ただし、相続放棄には以下のような注意点があります。

  1. 相続開始を知った日から3ヶ月以内に家庭裁判所に申述する必要がある
  2. 一部だけを放棄することはできない(プラスの財産も全て放棄することになる)
  3. 相続放棄をしても、次の相続人に相続権が移るだけで、空き家問題が解決するわけではない

相続放棄を検討する場合は、弁護士や司法書士に相談することをお勧めします。

空き家に関する補助金・支援制度

空き家対策には、様々な補助金や支援制度が用意されています。これらを上手に活用することで、経済的負担を軽減できる可能性があります。

自治体の空き家対策補助金

多くの自治体では、空き家対策に関する独自の補助金制度を設けています。

例えば、空き家の活用や流通を促進するための「空き家活用補助金」、老朽化した空き家の解体を支援する「空き家解体補助金」などがあります。

補助金の額は自治体によって異なりますが、解体補助金の場合、10〜50万円程度のところが多いようです。活用補助金は、リフォーム費用の一部(例えば費用の1/3、上限100万円など)を補助するケースが一般的です。

ただし、これらの補助金には予算枠があり、先着順で決まることが多いため、早めに申請することが大切です。また、事前申請が必要なケースがほとんどなので、工事を始める前に必ず確認しましょう。

解体費用の助成制度

特定空家等に指定されるリスクのある老朽化した空き家の解体には、国や自治体の助成制度が利用できる場合があります。

国土交通省の「空き家対策総合支援事業」では、市町村が行う空き家対策に対して支援が行われています。この制度を活用して、自治体が独自の解体助成制度を設けているケースも多いです。

助成を受けるための条件としては、以下のようなものが一般的です。

  1. 一定期間以上空き家であること
  2. 老朽化が進んでいること
  3. 所有者が解体後も適切に管理する意思があること
  4. 跡地を駐車場など地域に有益な用途に活用すること

具体的な助成内容は自治体によって異なるため、お住まいの地域の空き家対策窓口に問い合わせてみるとよいでしょう。

リフォーム・リノベーション支援

空き家をリフォームして活用する場合にも、様々な支援制度があります。

国土交通省の「長期優良住宅化リフォーム推進事業」では、耐震性や省エネ性能を高めるリフォームに対して支援が行われています。補助額は工事内容によって異なりますが、最大で100万円程度の補助が受けられるケースもあります。

また、空き家を賃貸住宅として活用する場合には、「住宅確保要配慮者専用賃貸住宅改修事業」という制度もあります。高齢者や障害者、子育て世帯などの住宅確保要配慮者向けの賃貸住宅に改修する場合、最大200万円/戸の補助が受けられます。

これらの制度は年度ごとに内容が変わることがあるため、最新情報を確認することが大切です。

税制優遇措置の活用法

空き家の処分や活用に関しては、税制面での優遇措置も設けられています。

「被相続人の居住用財産(空き家)を売却した場合の特例」は、相続した空き家を売却した際に、譲渡所得から最大3,000万円を控除できる制度です。適用条件としては、昭和56年5月31日以前に建築された家屋であることや、相続開始から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売却することなどがあります。

また、「小規模住宅用地の特例」は、200㎡以下の住宅用地について、固定資産税評価額を1/6に減額する制度です。ただし、特定空家等に指定されると、この特例が適用されなくなるため注意が必要です。

これらの税制優遇措置を活用するには、条件を満たしているかの確認や適切な手続きが必要です。税理士や不動産の専門家に相談することをお勧めします。

専門家に相談するポイント

空き家問題は複雑で、専門的な知識が必要なケースも多いです。状況に応じて、適切な専門家に相談することで、スムーズな解決が図れます。

不動産業者の選び方

空き家の売却や活用を考える場合、不動産業者選びは重要です。以下のポイントを参考に選びましょう。

地域に精通した業者を選ぶことが大切です。特に地方の空き家の場合、その地域の市場動向や需要を把握している地元の不動産会社の方が、適切なアドバイスを受けられることが多いです。

また、空き家の取り扱い実績がある業者を選ぶことも重要です。空き家は通常の不動産取引と異なる点も多いため、経験豊富な業者の方が安心です。

複数の業者から査定を受けて比較することも大切です。査定額だけでなく、担当者の対応や提案内容、販売戦略なども総合的に判断しましょう。

契約の際は、仲介手数料や広告費用、契約期間などの条件をしっかり確認することが重要です。

司法書士・税理士への相談内容

空き家の相続や処分に関しては、法律や税金の専門家に相談することも大切です。

司法書士には、相続登記や名義変更、相続放棄などの手続きについて相談できます。特に、相続人が複数いる場合や、所有者が不明確な場合などは、早めに相談することをお勧めします。

税理士には、相続税や譲渡所得税、固定資産税などの税金面での相談ができます。空き家の売却や活用による税金の影響や、節税対策について専門的なアドバイスを受けられます。

これらの専門家への相談費用は、初回相談が無料の場合もありますが、具体的な手続きを依頼する場合は費用がかかります。事前に料金体系を確認しておくとよいでしょう。

行政の相談窓口の活用法

空き家対策については、自治体の相談窓口も積極的に活用しましょう。

多くの自治体では、空き家対策の専門窓口を設けています。ここでは、空き家の管理や活用、解体などに関する相談ができるほか、補助金や支援制度についての情報も得られます。

また、空き家バンク制度を設けている自治体では、空き家の登録や利用希望者とのマッチングなどのサポートも受けられます。

自治体の相談窓口は無料で利用できることがほとんどです。まずは地元の自治体のホームページなどで、空き家対策の担当部署を確認してみましょう。

費用相場と依頼時の注意点

専門家に依頼する際の費用相場と注意点をまとめておきます。

専門家主な相談内容費用相場
不動産業者売却・賃貸の相談無料(成約時に仲介手数料)
司法書士相続登記・名義変更5〜15万円/件
税理士税金対策・確定申告相談:5,000〜10,000円/時間、申告:3〜10万円
建築士建物調査・リフォーム相談調査:3〜10万円、設計:工事費の10〜15%

依頼時の注意点としては、まず複数の専門家に相談して比較することが大切です。また、費用や報酬体系を事前に確認し、見積書や契約書をもらうようにしましょう。

特に不動産業者に売却を依頼する場合は、専任媒介契約と一般媒介契約の違いや契約期間などをしっかり確認することが重要です。また、成約後のアフターフォローについても確認しておくとよいでしょう。

司法書士や税理士に依頼する場合は、空き家や相続の取り扱い実績があるかどうかを確認することをお勧めします。経験豊富な専門家の方が、スムーズな対応が期待できます。

まとめ:空き家問題は早めの対応が大切

空き家の実家を放置することで生じるリスクと対策について見てきました。建物の老朽化、防犯・防災面での危険性、近隣トラブル、固定資産税の負担増加、特定空家等への指定など、放置することで様々な問題が発生します。

相続した実家の空き家については、まず相続登記を行い、建物の状態を確認した上で、今後の方針を決めることが大切です。活用するにしても処分するにしても、早めの対応が結果的にコストの削減につながります。

空き家の管理や処分には、自治体の補助金や税制優遇措置などの支援制度も活用できます。また、状況に応じて不動産業者や司法書士、税理士などの専門家に相談することで、スムーズな解決が図れるでしょう。

空き家問題は放置すればするほど解決が難しくなります。この記事が、空き家の実家に悩む方々の一助となれば幸いです。


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